趣 意 書
「谷山池の保存を求める会」
 委員長 奥村 博

谷山池の文化・歴史・自然について
 谷山池は、上池、中池(堆積土砂のため大正時代に耕作地に転換)、 下池(本池)の3つの池から成り立っています。 谷山池は平安時代から鎌倉時代に築造され、 地元では「重源伝説」として残る貴重な文化遺産であります。 俊乗房重源は中国(宋)に三度も渡り、東大寺の再建や狭山池の改修に携わった高僧で、 彼が宋から持ち帰ったという水仙が和泉市の市花となっており、桑原町の西福寺の境内にある石碑には、 東大寺長老狭川明俊の句「南無俊乗 和泉の母よ 水仙花」が刻まれています。 そして、重源が讃岐から連れてきた技術者たちが鍛治屋町を形成し毎年子孫が重源講を催したり、 西福寺では毎年重源忌の法要を営むなど谷山池は市内でも最も古い溜め池の一つで、 和泉市民の生活に溶け込んだ大切な池となっています。 池田谷から和泉市中心部の農業と住民の生活を1000年にわたって支えてきただけでなく、 谷筋から流れ出る大水などの洪水調節機能を果たしてきました。  また谷山池周辺は須恵器の窯跡が和泉市で最も多く、埋蔵文化財包蔵地に指定された宝庫でもあり、 重要な歴史遺産であります。
 さらに谷山池本池から上池の上流に至る谷筋は、 もう市内でほとんど見られなくなってしまった小川が水路として残り、 和泉市唯一のミドリシジミ蝶、ナニワトンボ、サラサヤンマやエゾトンボ類等の重要稀少種も棲息しています。
 鳥類では、池畔の雑木林でオオタカ(準絶滅危惧種)の営巣が確認されており、 冬期には上池に例年百数十羽のカモ類が飛来し、特にヨシガモについては府内最大級の飛来地となっています。 また昨年秋には、上池上流部の水田跡や本池にコウノトリが飛来するなど、 重要な野鳥の生息地として注目されています。
 ところが、近年灌漑用水としての需要が減ってきた一方で、 折々の集中豪雨による堤防の改修費用の負担等のために 水利権・地権を持つ12町(水利組合)で池を売却しようという計画が持ち上がり、 売却への同意書が集められています。
 「谷山池の保存を求める会」では、市民の文化・歴史遺産である谷山池の保存と特有の里山的自然の保全を目標とし、 谷山池が民間に売却され、埋め立てられてしまわないよう、 和泉市が購入し保存・保全対策を立てて下さるよう求めます。
以上